「歴史」ってなんなんだ

おことわり

 何かしらのご意見がございましたら、DMやリプライでお願い致します。ただの価値観の押し付けだと思って頂ければ幸いです。

 

1. 歴史ってなんなんだ

 歴史ってなんなんだ。これはおそらくずっと解決しない問題でしょうし、人の価値観によって全く捉え方が異なります。

 しかしながら、どんな文献にも書いてないことを、さも書いてあるかの様に吹聴したり、とある1単語だけを拾って、「A以外はあり得ない!!」という解釈をしてしまったりする方がいるのも事実です。

 政治的な話題をする気はありませんが、わかりやすい例えを挙げるとするのならば、本邦と中国・韓国との歴史的解釈が挙げられます。

 変な話、この2ヵ国は「建国神話」に『大日本帝国』という悪者が必要だと思いますので、このような事態になってると考えることができます。

 

 本題から話題が逸れ始めているので、話題を戻します。

 

 私が匙を投げているのは先述の内容ではなく、社史や資料を自分にとって都合良く解釈している上、その解釈を他人に押し付けようとしている方のことです。今回がただの価値観の押し付け合いであることがわかりますね。やったあ。

 これも具体例が無いと何言ってるのかさっぱり分からないですよね。

 このイオンの設定を弄って考えてみましょう。この店舗は1980年代に忠実屋(首都圏を中心に展開していた総合スーパー)として開店しましたが、1994年に忠実屋がダイエーに合併されたのに伴い、店舗の名前も「ダイエー」になります。そして、2016年にダイエーの大型店はイオンに譲渡され、店舗の名前も「イオン」となります。

 さて、この文章を読んであなたはどう解釈したでしょうか? 

 解釈については人によって異なるでしょうし、それを他の人に無理やり押し付けてない限り、私は特になんとも思いません。しかし、今回ではあえて幾つかの「正解」を考えていきましょう。

 

  1. 忠実屋から今日のイオンまで連続した歴史として捉える
  2. 忠実屋?そんなの知らんから、ダイエーになった94年以降を店齢として数え、イオンは無視
  3. イオンより前?昔のことだからどうでも良くない?

 500回でも書きますが、2〜3を個人の解釈とするのは異論はありませんし、何を考えるかは本邦では自由です。

 しかしながら、2.  を押し付け「ダイエーA店」と呼ぶことを強要してる方がいるのも事実です。あくまでも私の意見ですが、このような歪曲をさも「正しい歴史」として押し付けるのは中々酷い話です。

 

 歴史を学問的に学んでない方は納得できないのかもしれませんが、歴史というのは「誰が」「いつ」「どういう価値観で記されているのか」というのが重要視されます。(これもざっくりしてるので部分的に間違ってるかも)

 歴史学者であるイギリスのエドワード・ハレット・カーは「歴史とは、現在と過去との間の尽きることのない対話である」と自著に記しています。

 2.の意見を上記の観点で見ていきましょう。「誰が」という観点では一介の愛好家が言ってるだけなのでNG。「いつ」は2023年時点を指しているのであれば、×に近い△。「どういう価値観で記されているか」という観点では、お世辞にも客観的とは言えないので×になります。

 3.は現在の業態がイオンである限り、「間違い」とも言えませんしイオンになってn周年という何かしらの施策を行うこともあるでしょうから今は問題視しません。

 

 1.の妥当性について検討してみましょう。

 写真は23年2月に閉店したイオン旭店の売り尽くしセールの様子です。非常にざっくりと説明しますと、ジャスコからイオンに転換した店舗となります。開店したのは1982年ですね。その下にはイオンと書かれていることが分かります。この時点で「誰が」というのは運営者であるイオンリテールなので、100点満点で完璧になります。「いつ」は1982年から2023年のことを指しており、これも妥当性があるものです。「どんな価値観で」ではこれも、運営者であるイオンリテールであるため妥当性があるものになります。

 次は応用問題(?)です。

このダイエー赤羽店ですが、54年間ずっとこの建物で営業してきた訳ではないので、見方によっては2つの解釈が可能です。

 

①  この土地に「ダイエー赤羽店」は継続していたので、旧店舗から通算してn年営業したと   記載(写真の通りですね)

②  建物は建て替えられているので、現店舗を「ダイエー赤羽店(2代目)」と考える

 (私はこっち)

 

 これに関しては人それぞれ…としか言いようがありません。昔から当該店で買い物していた方は前者的な解釈をするのが一般的でしょう。①と②を上手いことまとめて見出しにしている記事がありますので、下の参考にしたもの欄を見てみてください。

 

2.  まとめ

 まあ、言いたいことは歴史の解釈って押し付けるものでもないし、根拠のない独自研究は人を不快にすることもあるよってことです。(私が言えたことではないですが…)

 歴史に限らず地理や文学、商学(これはコロコロ変わるので何とも言えない)では、上記のことを重視されることがあると思います。レポートとかでも出典を明示するように言われるでしょうし、Wikipediaを文献として利用できないのは「誰が」書いたか分からないからでしょう。

 理系の学問と文系の学問の違いの一つにこれが挙げられるのではないかと思っています。

 もちろん、学問的に記載すべきとは言いませんし、そのように記載していないものは絶対悪!!と言っている訳でもありません。しかし、「客観的な事実」と「個人の感想」をごっちゃにして記載するのは如何な物かと思われます。その2つを合成した「キメラ」を他者に押し付けたり、賛同したりしない人に対して攻撃をすることはモラル面で好ましくないことです。

 

3. 最後に

 商業施設に限ったお話ではありませんが、特定の趣味においてより詳しくなろうと思えば面倒臭いことがあるのかも知れません。それでも、その面倒くさいのはきっとあなたを異次元に連れてってくれるはずです。(ブログの資料集めで泣いてる自分はこれになってる)

 歴史というのも学者によって解釈も分かれてますし、YouTubeの広告のような「真実の日本の歴史」を語った胡散臭いものまで玉石混交です。後者に至っては議論の価値すらありません。

 私が一施設の歴史等を語る上で大事にしているものは先ほども書いた通り「誰が」「いつ」「どんな価値観で」という観点であり、その原理原則をも否定するような方を非難しているのです。

 少々大袈裟な物言いですが、このような発言が認められないのであれば、我々の言論の自由はどこへ行ってしまうのでしょうか。

参考にしたもの

イオン旭店、2023年2月閉店-旧扇屋ジャスコ、「旭サンモール」はリニューアルへ | 都市商業研究所

ダイエー赤羽店、2023年9月10日閉店-開店54年・建替えから僅か11年で、隣接地に新店舗開設 | 都市商業研究所