1.はじめに
ほとんど1年ぶりのブログですね。わーい。
皆さんは「商業施設偏差値」ってご存知ですか? 少し前にバズって話題になりましたよね。
イオンモールに偏差値つけてみた pic.twitter.com/djCXjxBzyK
— たちりこ (@tachigeography) 2024年10月28日
高偏差値帯のイオンモールには百貨店に入居していそうな店舗、低偏差値帯にはあんまりみんなが知っているような店舗が入居していないイオンモールになるそうです。
個人的には面白い(この面白いは多義的)な〜と思って別に特定モールの偏差値には興味なかったので適当にそれっぽいコメントを残しました。
肌感覚的に合ってると思う人がいても不思議ではありません。
しかし、これは本当にそのイオンモールの姿を表していると言えるのでしょうか?
リプライは………………なので、ツイッター以下の肥溜めではどのような感想を持たれているか見てみましょう。
やっぱりネットの肥溜めに期待してはいけない……
実はこの方、あらゆるSCの偏差値を出しています。
ゆめタウンに偏差値つけてみた https://t.co/SCAqtY3xno pic.twitter.com/fKI5LOJX5C
— たちりこ (@tachigeography) 2024年10月29日
これから面白い(多義的)のお話をしましょう……
極端なことが出来そうなサンプル、ゆめタウン東広島(49.7)をおもちゃにします。
2.ゆめタウン東広島は何者か
個人的に馴染みのある店舗ですが、画像を持ってないのでざっくり行きます。
私が把握できる範囲内で加点対象になるのはGU、SM2。(そもそも加点対象になる店舗が全て示されてない?ので、客観的に判断できません)
推測ではバーガーキング、サイゼリヤ、無印良品、ダイソー、タイトー、はなまるも含まれていそうです。
地上4階建てで売り場面積は約23,900㎡。総合スーパーとしては割と集客力があり、割と凄いテナントを揃えています。別に、ゆめタウン東広島の偏差値がおかしい!という訳ではありません。しかし、東広島市には商業施設が多く存在しているので他施設の状況も踏まえて考えてみましょう。
追記:たちりこ氏から選定基準をご教示頂けたので以下に記載します。
<衣料品>
・GU
・アメリカンホリック
・ハニーズ
・SM2
<雑貨>
・無印良品
・ヒマラヤ
・ダイソー
・啓文社(書店)
<食品>
3.東広島市の商業集積について検討してみる
上の画像は東広島市の商業集積地である西条地区の地図です。多くの店舗は国道2号、375号、486号などの近くに立地しています。
主要な商業施設としてはゆめタウンと同じ会社が運営する「ゆめモール西条」、イオングループのフジが運営する「フジグラン東広島」があります。これらのSCと性格が異なりますが、地図の南西には「ゆめタウン学園店」も立地しています。
今回はゆめタウン学園店の説明を省き、ゆめモール西条とフジグラン東広島のフロアガイドを見ていきましょう。
無断でフロアガイド載せるのは嫌なのでリンクぐらい自分で開いてください()
まあ、主だったテナントは以下の通りになるかと思います。
<衣料品>
・ライトオン
・グリーンパークストピック
<雑貨・ホビー>
・standard products
・ダイソー
<サービス>
・ナムコ
・T.JOY(シネマコンプレックス)
うーん。75店舗から出しているのでこんなもんなのかなぁ? 自分ならチェーン・運営会社別じゃなくて地域毎にして対象店舗を倍ぐらいにしそう。(それで失踪……)
続いてゆめモール西条です。
こちらもリスト化します。
<雑貨>
・ダイソー
<飲食>
両方ともユニクロが入ってない低偏差値SC……
両施設のフロアガイドを閲覧されたみなさまはもう分かっちゃってるのでしょうが、フジグランとゆめモールの「得点」からあぶれるであろうテナントを記載します。
たちりこ氏が得点源にしていたテナントには※をつけます(追記)
<フジグラン東広島>
・anyfam
・くすりのレディ
・しゃぶ葉
・シューラルー
・手芸の丸十
・チチカカ
・ドトール
・ハニーズ ※
・はん・印刷のOTANI
・不二家
・ホビーゾーン
・メガネの田中
・ラパックスワールド
・ワイモバイル
・わかるとできる
<ゆめモール西条>
・コーナン
・ケーズデンキ ※
・ドットエスティ ※
・LAVA
・一風堂
・田所商店
・ハンプティダンプティ ※
・スーパーセカンドストリート
・zoff
・#ワークマン女子
これを見て、うわあザッコという認識ならお話になりません。
まあ、そう思っていてもなんか知ってる店舗、地元の人にとってはこれらの店舗があるから行くだろうなという店舗が紛れているが分かりますか? 特にゆめモールのコーナン、イエローハットがわかりやすいでしょう。得点化している店舗が75しかないのはこのような「強い店舗」は無視されている可能性が高いです。
次にSCではなくロードサイド型店舗に注目していきます。(今回は自動車販売店とコンビニ、ガソリンスタンドは除外)これらの店舗は2024年11月15日にgoogle mapを閲覧した時点の情報になります。
国道375号線(国道2号〜西条IC)
<店舗>
・ユーホー(ホームセンター)
・ヤマダデンキ
・ニトリ
・眼鏡市場
・釣具のポイント
・アベイル
・ひまわり(ドラッグストア)
・ウォンツ(同上)
・大進(ギフトショップ)
・ソフトバンク(2店舗)
・DCM
・ジェームス
<飲食>
・大阪王将
・珈琲館
・丸亀製麺
・かつや
・はま寿司
・ラーメン山岡家
・すき家
・吉野家
・来来亭
・焼肉きんぐ
・くら寿司
・ガスト
本来なら他の国道や道路も示すべきなのでしょうが、面倒臭いので375号だけで勘弁してください…
この他の主な店舗はゆめタウンの南西にユニクロ、フジグランの北西に食品スーパーのフレスタを核にした小規模なSCがあります。さらに、西条駅周辺には食品スーパーのハローズ、ドラッグストアのザクザク、天下一品、シャトレーゼなども存在し、商業集積がポンデリングのように連なっていることが分かります。
ロードサイド店が発達すると低偏差値になる傾向が強まる可能性が高そうですね。同様の現象は帯広市、山形市、いわき市などなどでも見られそうです。
次にこの偏差値の問題点を示していきます。
4.SC偏差値の問題点
表が見にくいとかは初歩的な問題やなんでコレドとか入ってないんだ、とかの日本語が不自由な方々の意見は今回は無視します。どんなに欠陥がある指標でも、どのような条件のSCを調べているか読めない方々は問題点を語る以前の問題です。さようなら。
① 75店舗がどれなのか再現性に乏しい、そもそも客観性がない
これは商業施設偏差値の客観性を検討するにおいて非常に問題です。ここまでの内容を読んで頂けたらお分かりになると思いますが、どんなテナントが得点になるのかが不透明です。
私が把握できる範囲内では衣料品店のみなので(選定してるテナントもある意味では問題点なので、詳しくは後述)、飲食、雑貨、サービスは主だったSCに入居しているものを憶測と偏見で記載しております。
仮に私がSC偏差値を出したい!と思っても、また独自基準で諸々考えないといけないのは客観性・再現性に乏しく指標としては全く役に立たないと言えるでしょう……と書きたかったのですがアップしようというタイミングで見つけました。トホホ。
しかもSCブランドによって店舗対象が違う。なんだそりゃ。
これは②、③にもつながることなのですが、「どこにでもある店」が選定されおらず、都市型SCこそパワー、最強という主観で店舗が選定されている可能性があります。
② 大都市・大都市圏立地のSC、都市型SCが必然的に有利になる
最初に記載した通り、高偏差値には「百貨店で扱っているような店舗が入居している」と記載されています。しかし、このような店舗で扱っている商品は「買回品」と呼び、日用品などの生活に必要な「最寄品」と比較すると購入頻度はぐっと下がってしまいます。
このような店舗が成り立つのは広域から集客できるかつ人口が多い地域に限られます。最寄品が中心になっているSCはとても不利になり、広域から集客する目的のSC、比較的近隣からの集客を目的とするSCといった棲み分けは全く無視してることになります。
さらにSCの周辺には大量のロードサイド店が林立していることも珍しくなく、必ずしも低偏差値のSC=集客力の低いSCとは言えない可能性も否定できません。
仮にテラスモール湘南がイオンモール湘南藤沢だったらとんでもない高偏差値SCになりそうですね。
③ 地域チェーン・地場店舗、郊外を得意とする全国チェーンが全く考慮されていない
①、②の焼き増しですが、東広島市西条地区の例を見ていただいたみなさんは納得頂けると思います。
例の肥溜め動画には「イオンモール旭川駅前ってこんなに偏差値低い?」というコメントがあります。西条地区とは異なり都市型SCですが、ロイズ、サザエ、カナリヤ、MIプラザ、玉光堂、きたキッチンなどが入居しています。
筆者のようなSCキチガイや道民はおおおおおおおおお〜となりますが、他所の地域の人はなんじゃそりゃ(困惑)となるため、このような指標に含まれにくいと推測されます。これは首都圏の日高屋、西条地区で例えるとメガネの田中、ウォンツなどが分かりやすい例でしょう。
比較的、郊外型のSCに集中的に出店するドットエスティ、コーナン、ケーズデンキなどは一切得点にはならないでしょう。
以上3点が個人的に問題点だと主張したいです。しかし、このままクソみそ言ってしまっても私がただの悪者になってしまうので、より客観的な『偏差値』を出すための提案と何箇所か褒めていきます。
5.筆者が偏差値を出すとしたら…?
このSCの偏差値を出すという視点は非常に面白いものです。おそらーく学祭の宣伝のために作ったキャッチーなものなのでしょうが、自分が作るとしたら全然違うものになると思います。(だからバズりとは無縁のツイッターライフ)
① 再現性の確保と「得点対象」のテナント明示
私の知る限りイオン、IY、ゆめタウン、ららぽーとを算出対象にしているそうですが、いずれも単純比較は難しく、最終的には全国展開している企業に絞ることになると思います。
しかし、いくらなんでも75店舗は少なすぎます。個人的には180〜220程度は欲しいなあと思います。
再現性の確保は180店舗全てを記載(もはやTwitter向きではない)で行うと思います。
② SCブランド別ではなく面積または都道府県別で算出
これは問題点②で挙げた地域チェーンが含まれていないことの解決方法です。書店やメガネ店は地域チェーンも少なくなく、スポーツショップのシラトリなどがカテゴリーキラーとして出店しているSCも存在しています。まあ、地域チェーンも同じ県内でも進出していない地域があるのでピンキリなんですけどね…
面積別というは、端的に言えばレイクタウンと多摩平の森を比べても仕方ないんだから、おんなじぐらいのSCを比べた方がまだ客観的になるんじゃね?と言った具合です。
偏差値というのは分かりやすい指標で良いです。(n回目)
しかし、嘘つきは数字を使うとはよく言ったもの……と表現せざる得ません……
最後に
テナントという観点からSCにおいて重要なのは、フロアガイドを見てこの店舗が入っていないから劣っている!というより根本的なSCコンセプトを理解し、周辺の状況を調べて見に行くことです。
目的のある店舗見学は非常に有意義で楽しいものなので、SC偏差値を超えていく勢いであらゆるSCをガン見して見識を深めていきたいものです。
お読み頂きありがとうございました。
(追記)
このような即興で書いた批判ブログに情報提供頂いたたちりこ氏にはこの場を借りてお礼申し上げます。
参考にしたもの
https://x.com/tachigeography/status/1850892222830637494/photo/1
たちりこ氏のツイートから 2024-11-15閲覧
(この記事はゆめタウンを元にして記載してるが、出典はイオンモールなので異なる可能性がある)
フロアガイド|ゆめタウン東広島|イズミ・ゆめタウン公式サイト|広島県東広島市
同上
フロアガイド|ゆめモール西条|イズミ・ゆめタウン公式サイト|広島県東広島市
同上
同上